洗い物0分への道。食洗機導入までの長い経緯。

家事 随筆

 まるでソレが自分の使命かのように、毎日のルーティンに食器洗い洗い物を詰め込んでいる人は多い。「やって当たり前」と思考停止状態で毎日無駄に洗い物を頑張り、自らの体や精神を自らの決断でクタクタにズタズタにしている。

 洗い物は自分の大切な時間を削る。時間が削られるということは自分の命が削られるのと同じ。単純計算、食事の数だけ洗い物が発生するため、食事の数だけ貴重な命は削られてゆく……。

 ハッキリ言って『洗い物』は人生において極めて無駄な行為。洗い物は、われわれ人間がやらなくていいわざわざ。そんな面倒なタスクはロボットに任せておけばいい。
 我家には『食器洗い用のスポンジ』が1つも存在しない。食器洗いの奴隷から解放されたから。いつも洗い物に使っていた時間を、今は優雅に好きなことに使っている。

 とはいえ、かつては自分も洗い物奴隷だった。
 ということで——キッチンスポンジを断捨離した理由、試したスポンジの管理方法(収納方法)、スポンジの代替品として使っていた物、洗い物をやめるために試した『使い捨て食器だけ生活』、全家庭に置ける『タンク式食洗機』のありがたさ——など、不器用に洗い物をしていた我輩が一切洗い物をしなくなるまでの経緯『洗物語』を鮮明に綴る。

キッチンスポンジを断捨離した理由

 スポンジへの不服はいくつもある。いくつか書く。
 まずは『雑菌』の問題。どんなに絞っても湿っている。もちろん室内なので室温。だから雑菌は繁殖しやすい。割と神経質に小まめに買い換える必要がある。
 たまに買い替えずにハイターとかを水で薄めたものに漬けておき「はい、綺麗!」といつまでも捨てずにいる人がいるけれど、それでしっかり綺麗になるとは思えないし、安いスポンジ1個に対して様々なリソースを充てたくない。費用対効果が悪いと感じる。スポンジは高くないし、それなら買い替えたほうが全然マシ。

 つぎに、『判断疲れ』の問題。コップ用とその他用で分けるのが面倒。
 分けないとコップに油っぽさや脂っぽさが残る。露骨に残るわけじゃないがニオイがうっすらと残り、水が不味くなる。水じゃなくてもアブラのニオイが飲み物を不味くさせる。先にコップを洗って、そのあとに食器類を洗ったとしても、そしてスポンジそのものをしっかり洗ったとしても、次回はその中古のスポンジを使うことになるため、どう頑張ってもコップにアブラのニオイが付着してしまう。洗剤はもちろん40度以上の熱い湯でしっかりと仕上げ洗いすればマシにはなるが、ササッと洗えないためとにかく面倒。そのぶん水道代もガス代もかかる。時間というリソースもかかる。だからスポンジは分けたほうが効率的で、どうしても分ける必要がある。
 だがしかし、その「分ける」がまた面倒。なぜなら判断に疲れるから。「2個あるスポンジから適したスポンジを選択する」という判断タスクが発生するため、無意識のうちに判断疲れが起こる。それが神経の消耗、プチストレスになる。

 こんどは『スペース』の問題。スポンジ2個を、衛生面を考慮した方法で収納するには、最低でもスポンジ2個分以上のスペースが必要。シンクという所において、スポンジ2個分くらいのスペースは、小さくない。その僅かとも思えるスペースが意外とデカい。いわば作業場。スペースは広くとりたい。パフォーマンスに影響がでてしまう。
 かなり大きいシンク(キッチン)が設備されているなら問題ないかもしれないが、シンク周りのスペースが足りないと思う人のほうが多いのではないだろうか。一時的に何かを置く時に「邪魔だな」と思うケースには意外と多く直面する。そしてスポンジ2個分のスペースだけでは済まない事が多い。スポンジから出たであらう汚そうな水分が周りに飛んでいたりすると、そこにも物を置けなくなる。なのでシンク周りの貴重なスペースにスポンジを2個も置きたくない。

掃除メンテ』の問題も厄介。スポンジがあると、シンク掃除の時に邪魔。スポンジを一々よけたり戻したりしなきゃいけない。スポンジを置いている場所は雑菌が溜まりやすい(繁殖しやすい)所だから毎日こまめに入念に掃除する必要がある。
 浮かせる系の収納をした場合、例えばメッシュラック的なものに置いているとして、そのラックも掃除しなきゃいけないしラックを貼っつけている吸盤や吸盤の裏とかも掃除しなきゃいけない。吸盤の裏(守られ隠れたシンク)は触れずに放置しているとカビやサビの原因になる。なぜなら僅かな隙間から水が混入するから。だからいちいち剥がしたり貼ったりしなきゃいけない。吸盤が思うように固定されない事も稀にある。吸盤やラックそのものの掃除が大変になり、シンク掃除へのハードルが上がり『掃除自体放棄事態』に陥る可能性が上がる。そうしていずれ劣悪な環境になってしまいました。では困る。

 最後に、『代替品がある』という事実。なにもスポンジにこだわる必要はない。洗剤をつけてお湯を使えば大体の汚れは落ちる。簡単なものであれば手でも落ちる。だからスポンジじゃなくて、ティッシュでもキッチンペーパーでもウェスでもなんでもいい。汚れが落ちるならなんでもいい。

断捨離前にやった「浮かせる」という試み。

 浮かせる系収納だと直置き系収納と比べて早く乾きやすいし雑菌の繁殖量も少ない。ということで衛生面の問題からスポンジの直置きはやめた。たとえ、ようく絞ったとしても、水分はスポンジ内に残っている。雑菌繁殖、待った無し。直置きのスポンジが目に入るたび、罪悪感が込み上げるだろう。それを毎日やったらストレス。だから『浮かせる系収納』を色々と試した。

 まずはじめに、前述でもあげた『ラック収納』。吸盤式でシンク内に貼っつけるやつ。直置きせずに済む。一応はデッドスペースを有効活用できている。浮かせるから直置きよりはマシ。ただ、やはりラックそのものの掃除が怠い。メッシュ系だから隙間が多く、細々とした器用な掃除が必要になる。こまめにやらなければ雑菌が繁殖しやすい場所なのでカビの原因にもなる。だから毎日やる必要がある。その器用な掃除を。面倒が臭すぎる。
 そして前述同様、吸盤や吸盤の裏とかも掃除しなきゃいけない。吸盤の裏(守られ隠れたシンク)は触れずに放置しているとカビやサビの原因になる。なぜなら僅かな隙間から水が混入するから。だからいちいち剥がしたり貼ったりしなきゃいけない。吸盤が思うように固定されない事も稀にある。吸盤やラックそのものの掃除が大変になり、シンク掃除へのハードルが上がり『掃除自体放棄事態』に陥る可能性が上がる。そうしていずれ劣悪な環境になってしまいました。では困る。

 次に試みた『ボトル直挿れ収納』。これは洗剤ボトルの先っちょにスポンジをはめ込むという手法。元々それ用の穴が空いてるスポンジを買うか、自分で穴を空ければ『直挿れ収納』が可能。これをやると一応は浮かせる収納が可能になる。
 だが神聖なる洗剤の入口先っちょ付近にスポンジが常にあるという事実に罪悪感が強まり、やめた。スポンジの雑菌が洗剤の中に混じっていそうで少し気持ち悪かった。
 ただラックを使う浮かせる収納よりはオペレーションが楽だなとは思った。トータル的に考えて心への負担はラックよりも直挿れのほうが小さかった。

 最後に試みた『壁にくっつける収納』。壁にスポンジをくっつけて浮かせるという方法。要はマジックテープを壁に貼っつけておけば、そのマジックテープにスポンジをくっつけられる。これなら浮かせられるし、シンク内ではないから無駄に濡れないし乾きやすいし、ボトル直挿れ方式じゃないからそのあたりの罪悪感もないし。
 しかし、今度はマジックテープとスポンジの間の雑菌が気になる。あとマジックテープと壁の間に混入した汚れや雑菌も気になる。あと壁の拭き掃除が少し面倒になる。そしてやはり結局は小まめに新しいスポンジに交換しなければならない。そのぶんコストはかかるし、雑菌まみれのものを可燃ゴミの収集日までゴミ箱に入れておくというのもなんだか少し嫌な気持ち。

スポンジの代替品として採用した『水切りフィルター』。

 前述で申し上げたとおり、綺麗に洗えればなんでもいい。だからスポンジじゃなくてもいい。ということで、スポンジの代替品として『水切りフィルター』。これを我家に導入した。

セリアの『水切りフィルター』。
広げるとこんなかんじ。調理時の帽子にもなりそう。

 50個で110円、安い。1ヶ月毎日使い捨てても110円〜220円で済むと考えればかなり安い。なんとなく不安に感じていた「洗いごこち」に関しても特には問題ない。不織布だから洗いやすい。汚れもちゃんと取れる。ネットに拳ごとつっこんでバァァァァっと広範囲を擦ることも可能。シンク掃除の時とか。

 スポンジから水切りフィルターに切り替えたことで生じたメリットは多い。わかりやすく水切りフィルターのメリットを簡潔に書き連ねてみる。

  • 使い捨てだから毎回新品清潔
  • シンク内やシンク周りの貴重なスペースをつかわない
  • ちゃんと泡立つし、ちゃんと洗える
  • 安い
  • 食器洗い後、そのままシンク掃除に使える
  • そしてその後は『排水カゴ』として使える。よって、あの洗いづらい『メッシュの排水カゴ』は断捨離できる

 このように、水切りフィルターは多様。明らかにスポンジを使うよりは合理的だといえる。いちおう上記の流れ(水切りフィルターを有効活用したキッチンリセット)をわかりやすく想像できるよう写真も以下に貼っておく。

比較的キレイなところから洗ってゆく。まず蛇口。
洗剤入りボトル。
台所。
あればコップや食器とか。
シンク内。
前日セットした水切りネットをポリ袋に入れて捨てる(我が家はソレを大きめなタッパーに入れて冷凍庫へぶち込んで凍らせる。そうするとゴミ箱から生ゴミ臭がしなくなる)。
排水口カバーや、水切りフィルター装着リングも洗う。
手の届くところだけ洗う。
そのままリングに装着。
finish.

 少々話が脱線したが以上がキッチンリセットの流れ。
 で——話を戻し、水切りフィルターにはデメリットもある。以下。

  • 包丁やハサミを洗う時は手を切らないよう注意して洗う必要がある。だから少し神経疲れが発生する
  • 水切りフィルターの種類やサイズによっては、リングに装着しづらい
  • 水切りフィルターの種類によっては、油の混じった水を一気に大量に流すと、フィルターが渋滞し、詰まる。そうなれば、流れ終わるまでが長い

 以上がデメリットだが、自宅のシンク環境に適した水切りフィルターを使っていれば問題はない。刃物類に関してはどうしても気をつける必要がある。ただこれはトレードオフな話。刃物だけ気をつけていればメリットのほうが多いし大きい。結果的に、快適に。シンクの貴重なスペースをスポンジが奪うことはなくなった。衛生面の問題も解決された。浮かせるためのラックや壁に貼っつけていたマジックテープなどが無くなり一気に掃除がしやすくなった。掃除へのハードルが下がることでサボることもなくなった。刃物類を洗う時だけ気をつけていれば多くのメリットが手に入るのだから喜ばしい喜ばしい。こうしてスポンジの断捨離に成功した。
 だがしかし……新たな問題が発生する。

大量の洗い物に困惑。使い捨て食器を徹底的に採用。

 いくら水切りネットで洗えるといってもパフォーマンスはスポンジのほうが上回る。だから大量の洗い物を水切りフィルターだけでやろうとすると、慣れるまでは少し時間がかかるし、慣れてからも少しストレスになってきた。
 新たな環境構築が必要だと思い、改革を試みた。今の『水切りフィルターを軸にしたオペレーション』は維持したまま、洗い物の数をとことん減らすという試みにうつった。

『使い捨て食器』を積極的に採用。あれもこれも使い捨てにした。電子レンジ対応の紙製耐熱皿(浅いのと深いのとデカいのと小さいのと色々)、どんぶりタイプ、プラのスプーンやフォークやナイフ、耐熱紙コップ、割り箸。とにかく可能な限り使い捨ての物を上手くつかい洗い物の数を減らしまくった。
 どうしても使い捨てでは厳しいという場面では、陶器の皿にサランラップやアルミホイルなどを敷いて洗わずに済むよう工夫したり、まな板にはまな板シートを使いまな板を洗わずに済むようにもした。基本的にカッティングは使い捨てナイフを使い、どうしても切れない時だけ包丁を使っていた。
 そんな感じで使い捨て食器を大量採用したことで、洗い物は激減。洗う物といえば、フライパンや包丁や保温マグカップや排水口カバーや水切りネットを装着するリングくらいになっていた。

使い捨て食器のコストは、そこまで高くない。

「使い捨て食器は楽だけど高いでしょ」と思った人もいるかもしれない。自分もかつてはそう思っていた。だけど実際は意外と安い。Amazonとかでまとめて買えば意外と安い。そこそこ良い耐熱皿でも1枚あたり10円くらいで買えたりする。1枚10円で洗い物から解放され、光熱費や時間というリソースを節約できるなら良い投資だといえる。

洗い物にもコストはかかる。

 洗い物(手洗い)にもコストはかかる。

  • 水道代
  • ガス代(我が家はプロパンガス。めちゃ高い)
  • 電気代(シンク上の照明)
  • スポンジ代
  • 洗剤代
  • 着色の解消に使うハイター代
  • 食器用乾燥機を使ってる人は、さらに電気代がかかり、乾燥機のケアにも諸々かかる
  • 食器かごを使っている人は、食器かごのケアに諸々かかる
  • 洗った物をすぐに布巾で拭く人の場合、布巾を洗濯するのに電気代・水道代・洗剤代・時期によってはガス代もかかる

 これらを考えると、使い捨て食器のコストがそこまで高いとは思えない。洗い物をしないことで浮いた時間をビジネスや副業等に充てれば使い捨て食器代なんて簡単にペイできる。

命の削り売り

1日に消費する洗い物の時間(30分だとして) × 人生(残り80年だとして) = 14,600時間

 こう考えると、時間の無駄遣いにもほどがある。洗い物なんてしていられない。この時間はもっと有意義に使うべき。強くそう思った。
 そしてトータル14600時間もやりたくない洗い物タスクに「ストレスを感じてしまっている」と考えると明らかに健康に悪い。

環境の問題

「使い捨て食器は環境に悪い!」という人がいるけれど、正直、知らんがなって思う。たかだか使い捨て食器。こんなんで環境破壊に繋がるとか言い出したらキリがない。そんなことを言ったらこの世にある様々なものをこの世から除外しなきゃいけない。環境破壊に繋がるものばかりだ。それに、どちらかといえば「人間が地球で生活をする」こっちの方が明らかに環境破壊だ。正直な話、そんな環境問題よりも自分の命(洗い物によって消費される時間)の方が大切なので、やっぱり、知らんがなって思う。

使い捨て食器をやめた理由

 これまで使い捨て食器について「コスパがいい投資」と褒めてきたが、現在の我輩は使い捨て食器を使っていない。
 ということで、ここからは使い捨て食器を《やめた理由》について書いてゆく。

 まずは『スペース』の問題。料理によって皿などを使い分ける必要がある。必然的に種類が増え、スペースが圧迫される。『重ねる収納』だとスペースは節約になるが、取り出す時にかなり面倒。だから1種類ごとに分けて収納する必要がある。浅い皿、深めの皿、大きい皿、小さい皿、汁物の皿、どんぶり、割り箸、スプーン、フォーク、ナイフ、コップなど、これらをキッチン周辺にスマートに置くのは中々に大変だということがわかった。
 スペースの問題はそれだけでは終わらない。使い捨て食器を夫婦ふたりで使っていると、大量のゴミが出る。可燃ゴミの収集日までに45リットルゴミ袋1つでは事足りない。2つは必要。そしてそのぶんだけゴミ箱も必要になってくる。だから部屋のスペースがゴミ箱の数だけ狭くなる。結構なスペースだ。

 次に『コスト』の問題。前述では「使い捨て食器にかかるコストはそれほど高くはない」と言っていたが、実は使い捨て食器代以外にもコストはかかる。少し考えればわかるはずだが個人的には盲点だった。
 例えば我家の場合、ゴミ袋代が結構かかる。我輩の住居は北海道の札幌市にあり、可燃ゴミは『指定有料袋』を使わないと収集してくれない。その指定のゴミ袋が、高い。45ℓの袋1枚で80円もする。我家のゴミ量からして毎週最低でも320円はかかる。
 札幌市はダンボールの収集をしないため、ダンボールは専門業者が有料で回収するか、月に1回PTAや町内会が主催する資源ゴミ回収まで何とか待つか、稀に存在するダンボール回収BOXまで持っていくか、ダンボール回収を行っているセイコーマートまで持っていくか、可燃ゴミとして出すか、という選択肢しかないため、気軽にダンボールを捨てられない。車がないし、回収BOXも近くにないため、なんとか月1の資源ゴミ回収日を待つか、可燃ゴミとして出すか、その二択しか残されていない。長期間ダンボールを部屋に置いておきたくない我が輩は必然的に『可燃ゴミ』として出すことになる。ネットショッピングを頻繁に使う我家はダンボールがよくでる。ということで指定有料袋代がさらにかかり、なんだかんだで毎週400円くらいはかかる。毎月1600円。たまにドサっと何かを捨てることもあるし、けっしょく1年間でゴミ袋代に2万円くらいは使っている。ゴミに2万円。馬鹿馬鹿しい。
 そして、結局は使い捨て食器も、使用後は軽くだが「水で流す」という作業が必要。その後、大きなポリ袋にいれて完全に封印してからゴミ箱に入れないといけない。じゃなきゃ生ゴミや食べ物の悪臭がゴミ箱の中で充満するし、虫がよってくる原因になり最悪だ。我輩は虫が大嫌いだからそれはなんとしてでも避けたい。だからさらに水道代や大きめのポリ袋代もコストとして加わる。

 ということで、使い捨て食器が齎すコストは意外と高くなることもあり、我家では現にコストが高くなった。部屋のスペースも狭くなった。楽な半面、意外とストレスな面もあった。そして料理や食事があまり楽しくないという気づきも得られた。我家は金持ちじゃないし、使い捨て食器をメインで運用していくのはあまり現実的ではない。そう思い、やめた。

全家庭対応の『タンク式食洗機』という存在。

 食洗機は専用のカゴに食器を並べて洗剤を入れてボタンを押すだけで勝手に洗ってくれる。自分が仕事や趣味をしている間でさえも勝手に洗ってくれる。つまりは食器洗いが得意なロボット。
 そんなことは食洗機を持っていない我が輩も知っていたが、なんとなく「食洗機は工事が必要」「一軒家じゃないから無理」「最初から設備としてついてるマンションに引っ越さないと食洗機は使えないんだ」と偏見をもっていた。魅力を感じてはいたが、現状、我家に食洗機の導入は無理だ、そう完全に思い込んでしまっていた。だがそれは気のせいであり誤りだった。食洗機はどこの家庭にも《工事いらず》で置けるからだ。

 食洗機には工事のいらない『タンク式』という物がある。こいつの存在が我輩を天へと導いた。
 食洗機は大きく分けて2種類ある。『タンク式』と『分岐水栓式』。
 簡単に説明すると、工事が必要な分岐水栓式の食洗機は、給水が自動。
 一方、工事のいらないタンク式は、給水が手動。
 つまりはその《自動給水》のために工事が必要なのだが、タンク式の場合は手動なのでタンクに自分で水を注げば使える。だいたい5〜6リットルくらいを最初に自分で給水すればいいだけの話であり、あとは分岐水栓式と何も変わらない。

 タンク式の食洗機は導入も簡単。本体とタンクを繋げて、本体に排水ホースを装着して、排水ホースをシンク内に垂らしておくだけ。あとはコンセントにプラグをさして終わり。とにかく簡単。全家庭に対応している。それがタンク式食洗機。

 しかも安い。だいたい2〜3万円。我輩は『MAXZEN』の食洗機を26800円くらいで購入し、現在も愛用している。安価でもしっかり洗ってくれるから最高だ。
 つまり、現代では、食洗機の導入ハードルが、めちゃくちゃ低い。工事不要で値段も安い。簡単に「脱、洗い物」に成功する。

導入。勝利。食事後の極楽。

 タンク式食洗機の導入を試みた我が家。結果、優勝。2万円台にもかかわらずしっかりと洗浄してくれる。容量サイズは小さめだが、夫婦ふたり暮らしの我家であれば全然いける。
 洗い物から解放された。毎日のタスクが1つ……いや、食事の数だけ減った。
 食洗機の導入後、とくに幸せを感じた瞬間は、やはり『食後』。以前までは、お腹いっぱいな状態で、ちょっとゆっくり食後の余韻を楽しみたくても「この後には洗い物が待ち受けているのかぁ……」ということを考えると落ち着いた心で余韻に浸れなかった。だがしかし現在は食洗機という名のロボットさんが勝手に洗ってくれるのでそういった憂鬱感はない。優雅にカフェインレスコーヒーなんかを飲みながら、働いてる食器洗いロボットを時々目に入れながら、映画鑑賞や読書を楽しめる。これまで数々のリソースを洗い物に充ててきたが、アレはいったいなんだったんだ。なんて無駄な時間を過ごしてきたんだ。強い後悔はあるが、洗い物から解放されたという事実がそれを上回る。食洗機、これは一家に一台あるべきだ。強く、強く、そう思った。

食洗機導入後も改革は続いた。

 食洗機を使って「はい、一件落着ゥ」ではない。以前まで主軸にしていた『水切りフィルター』のオペレーションをやめる必要がでてきた。
 何故なら、もう洗い物をする機会がほとんどない。食洗機に入りきらないものは次に回すし、その日もう食洗機を回さないということであれば翌日にまわせばいい。だからわざわざ水切りフィルターで手洗いする必要がない。
 洗い物には使わないがシンク掃除や排水口ネットとしてそのまま利用しようと思い、数ヶ月が経過。が、非効率だと気づく。結論、《ステンレス》の排水カゴを導入すれば、それすら食洗機が勝手に洗ってくれる。
 これまでは水切りフィルターをリングに装着して排水カゴの代わりにしていたが、装着したり回収して捨てるというタスクそのものが無駄だということに気づいた。ステンレスの排水カゴであれば毎日食洗機で気軽に洗えるから毎日ピカピカになる。受けたゴミクズはポリ袋にカンッと入れれば済む。そのゴミクズ入りポリ袋を冷凍庫にあるゴミクズ専用タッパーにぶちこんでおけば生ゴミの悪臭問題も解決する。このステンレス排水カゴを用いたオペレーションであれば水切りフィルターを毎月買わなくて済む。だから節約になる。シンクの掃除は、家にたくさんある台所用の布巾で事足りる——。

 そうして、水切りフィルターも専用リングも我が家から姿を消した。見事、合理的な断捨離に成功した。これもすべて食洗機のおかげだ。

洗い物を毎日0分にするための環境構築。

 以前まではminimalismを意識して食器やコップなどは必要最小限の数しか持っていなかった。
 だがその考え方は、食洗機がある場合は、へたっぴ。非効率な考え方。
 なぜなら、食器類の数が少ないと、食洗機が洗ってくれているあいだに、数が足りなくなり、いざ使いたいときに「ぁ〜、えっ、ないじゃん」という事態に陥り使えなくなる。コップとかは特に。だから、そうならないよう、すぐに必要なコップとかは、わざわざ自分で、洗わなきゃいけない。それではせっかく食洗機があるのに「なんだかな〜」な話である。

 ということで、あえて食器類の数をどかっと増やした。食洗機がある今はむしろ、食器類は多いほうが圧倒的に効率的であり、日々のパフォーマンスを上げてくれる。数を多くしておけば自分で洗い物をする機会は0ゼロになる。つまりそれは『洗い物0分』ということであり、洗い物奴隷生活から完全に解放されるということである。だからコップとかは特に多めに多めに持っておきたい。
 ちなみに、なぜ「0秒」ではなく「0分」と書いてるのかというと、食器とかを食洗機カゴに並べる前に《固形物》をさらっと水で流す必要があるからだ。流さなくても一応は洗えるが、詰まって故障になったら大変だし、ため洗いが行われるから固形物はないほうが絶対清潔になるだろう。だから、さらっと、固形物を水で流す。その作業にほんの数秒だけ使うので、0秒ではなく0分と書いた。

愛用しているタンク式食洗機

 前述にも書いたとおり『MAXZEN』のタンク式食洗機を使っている。26,800円くらいで買った。洗浄力が高くデザインもシンプルでよい。タンク式なので、どの家庭にも対応している。
 ただこれは容量的に「2人暮らしまで」かな。3人だと微妙。4人以上だとキツイと思う。3人以上の家庭ならば無難に大容量の物を選択したほうがよい。その場合、試してみたことはないが、有名且つ高性能な『パナソニック』が無難かも……?
 まぁ食洗機の紹介はこのへんにしておきます。もしMAXZENの食洗機興味がある場合は以下の記事を覗いてみてください。わりと詳しく紹介されています。
maxzenの食洗機『JDW03BS01』についての情報や実体験【レビュー】

脱、洗い物。浮いた時間は趣味やビジネスに充てる。

 食洗機を活用すれば洗い物の支配から完全に逃れられます。その浮いた時間で本を読んだり、ネットフリックスを見たり、大切な人と会話したり、どこかへ遊びに行ったり、ビジネスや副業等に挑戦できるため、明らかに人生の幸福度は上がるでしょう。現に我輩は洗い物から解放されただけで随分と心の《ざわざわ》が落ち着いた。時間を有効活用できているという事実にとても気分がよい。洗い物に充てていたリソースがそのまんま浮いたので大革命だ。たった一度の貴重な人生において度々おこる「なんでおれ、洗い物なんてしてんだろ……」みたいな罪悪感もない。兎にも角にも食洗機は神だ。