羽田へ行ったつもりが、なぜか成田に着いたので、また羽田へ向かおうとしたら、終電すぎちゃってたので、仕方がなくタクシーで羽田まで行ったら3万円くらいかかったよ———の巻

日記 & 小説

むかし。

20歳の頃、の話。

(9年くらい前)

季節は秋。11月。

東京にいた。

札幌へ行こうと

飛行機のチケットをとった。

早朝。

1発目の便。

6時くらいのやつ。

寝坊したくないから、

夜の内に羽田空港へ行き

空港のターミナルで

フライトまで待機。

そういうプランでいた。

ということで———

だいたい夜の10時ごろだったかな。

電車にのって羽田へ向かった。

どこで乗ったか、

なにに乗ったか、

うる覚え。

たしか、原宿だったかな。

いや、渋谷だったかな。

で、京急だったかな。

うーん、わすれた。

とりあえず

「羽田まで40分以上は、かかる」

という事実に関しては理解していた。

俺氏としたことが

眠ってしまった。

というのも、その時、熱があり、

37度くらいはあった。

まぁ

電車の中で深い眠りにつくことはない

と思ったし

羽田が終点だからきっと起こされるだろう

と。

でも

起こされなかった。

間、ちょいちょい起きたが、

電車が動いてるから

「羽田はまだだ」

と思い、すぐにまた眠った。

起きた。

というか起こされた。

車掌? がいる。

電車が止まっている。

乗客は誰もいない。

とても静か。

「ようやく着いたか、なんだか思ったより長かったな」

そう思いながら、

かすんだ目を頑張って開きながら辺りを見渡す。

「えーと…………えーとぉ?」

目に入った掲示板の文字列は「羽田空港」ではなく、

「成田空港」

厳密にいうと、成田空港に近い駅。

羽田に着いたと思いきや、成田に着いてしまった。

おかしいな。

東京や電車に全く詳しくなかった田舎者の俺氏は、

(当時まだ関東歴3ヶ月ほど。それまでは電車の走らない田舎に長年住んでいた)

とりあえず駅員に話しかける。

「羽田が最終の電車に乗ったハズなんですけど、なんで成田にいるかわかりますか?」

駅員は不思議そうな顔をしている。

「何言ってんだこいつ」みたいな。

警戒心ぷんぷん。

でも、とりあえずわかったのは、

俺氏が乗った電車は

羽田と成田を往復する電車らしい。

つまり———

羽田についても、

降りなかったら、

今度は成田へ向かう。

そういうこと。

俺氏が乗った電車は、そういうやつ。

「めんどくさいことをしてしまったな」
「まっ、しゃーないか」
「電車賃はもったいないが、戻ればいい話」

と、思いながら、また改札へ向かった。

そしたら先ほどの駅員が駆け足でやってきた。

「だめだめだめ! いまのが終電だよ」

終電。

終電……?

終電……。

「……えっ(汗」

今日はもう乗れない。

つまり、朝までこのあたりで時間をつぶさなきゃいけない。

でも、飛行機は早朝の朝1発目の便。

始発で羽田に向かっても間に合わない。

「ああー……しゃーない、歩いていくか」

正直、

まだ東京歴は

3ヶ月くらいだったから

成田と羽田の距離が

わかっていなかった。

だから成田から羽田まで

歩いていこうと決意した。

いつのまにか

先ほどの駅員が、どっかに消えていて

当時は

マップを使えるデバイスを

持っていなかったから

とりあえず

近くにいたタクシーの運転手に

「すいません~、こっから羽田まで歩いたら何分くらいですか?」

と聞いてみた。

驚かれた。

「え、本当に言ってる?ww」

みたいな顔をしていた。

「え、本当に言ってる」

みたいな顔を返した。

で、事情を話した。

そしたら

タクシーの運転手は

「どのくらいかかるか正確にはわからないけど、飛行機の時間には間に合わないと思うよ……」

と言った。

ということで———

タクシーで羽田へ行くことにした。

成田から、

羽田まで、

タクシーを

使ってしまった。

「いったい、いくらかかるんだろう……」

料金メーターの数値が上がる度に怯えた。

途中、現金が足りないことにきづいて、

コンビニへ寄ってもらいATMで金をおろした。

結局、3万円くらいかかった。

深夜の割り増し分は、サービスしてくれた、らしい。

「こんなこと滅多にないから、記念に」

と、領収書を丁寧に渡してきた。

すぐ捨てた。

この失態を思い出したくない。

一刻も早く忘れたい。

そんな思いを抱きながら。

熱を測ってないから何度かわからないが、確実に熱は上がっていた。

とにかく横になり休みたかった。

「ようやく仮眠がとれる」

と、ターミナルへ向かった。

ハズだったが———

それっぽい建物が見当たらない。

深夜ではあるが緊急事態ということで

飛行機の経験が多くある友達に電話をした。

で、聞いた情報をまとめると———

ターミナルは、いっぱいある。

で、俺氏が降りた場所は

休めるところがないターミナル。

で、休めるターミナルへ行くには車で数十分かかる。

ターミナル間のバスは朝まで動いてない。

———とのこと。

またタクシーで行こうと思ったが、

不幸なことに、携帯の電池がわずか。

命綱はとっておこうと、電源をきった。

そしてタクシーもあきらめた。

タクシーを呼ぶのにも充電を使ってしまうし、金がたくさんあるわけじゃなかったから、黙ってそこのターミナルで朝まで過ごすことにした。

ターミナルといっても、

10畳くらい?

(あんまり広さを覚えてない)

の誰もいないプレハブのようなところ。

さいわい、ベンチが1つだけあった。

あと自販機も。

しかし11月だというのに暖房がついてない。

熱が上がっているせいか寒気がやばかった。

11月だが、屋外にいることはないと、薄着でいた俺氏。

ベンチの上で横になっているが寒くてダメだ。

かけ布団代わりになるものはない。

この状況、自販機の光にイラつく。

しょうがないから自販機で温かいお茶を何個か買ってカイロとして使った。

寝たら絶対起きれないと思い、

寒気に苦しみながら、

眠気をこらえながら、

風邪(発熱)から来るふしぶしの痛みと闘いながら、

ターミナル間を移動するバスの時間(5時半くらいが始発?)を待った。

本当に地獄の時間だった。

とまぁ———

なんとか地獄を乗り切り、バスに乗り、羽田空港へ。

CAにバファリンを貰い、ちょっとよくなり、無事に札幌へ行くことができた。

しかし———

いま考えれば、本当にバカだったなと思う。

というのも———

東京の羽田から札幌までのフライトは、

たしか当時1万円くらいだった。

で———

べつに急いで札幌に行かなきゃならない理由は1つもなかった。

だから———

フライトをキャンセルして、別の便のチケットを買えば、あんなにツライ思いをしなくて済んだし、出費も大きく抑えることができた。

…………はぁ。

以上、過去の事件でした。

それでは、しばしの別れ。

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