クレーム処理には愚痴、見下し、織田裕二を使おう。

ざわめき

 クレームは怖くない。

 クレーム処理は、赤ちゃんをあやすより簡単。
 それにクレームは「チャンス」でもある。
 うまく処理すれば、自分の手柄になる。

 ただ、それにはコツがいる。
 コツを掴むためには、厳密な対策、シミュレーションが必要。

 クレーム処理は、奥が深い。
 クレーム処理には色々なパターンがある。
 すべてのケースに同じパターンが通用するワケじゃない。

 だから、この記事では、すべてを語らない。
 書籍化できるレベルの情報量になってしまう。
 それはさすがに、面倒がくさすぎるから。

 でもそのかわり、今回は「よくある典型的なクレーム」に対して、めちゃくちゃ使えるクレーム処理方法を特別に伝授しようと思う。
 その中でも今回は「自分のミスじゃないけど、担当者を変えて謝罪処理をしなきゃいけない」というシチュエーションでめちゃくちゃ使える処理方法を伝授する。

 で、具体的に何をすればいいのか?

 オーケー、この記事を読む進める前に、先にザックリと結論を言ってしまおう。

結論:(クレーマーを)心の中でメチャクチャ見下し、一緒になって怒り、騒ぎ、愚痴りながら、織田裕二(のモノマネ)で謝り続けろ!

 ちなみに俺は飛びこみ営業を3年くらいやっていた。
 成績はべつに自慢できるほどではない。
 ただ俺はこの手法を使い、これまで理不尽に託された「全クレーム」を大爆発させることなく完全に処理してきた。

 是非とも、この記事を読んで、クレーム処理を極めてほしい。

まずは、準備運動。クレーマーをめちゃくちゃ見下せ!

まずは、準備運動。クレーマーをめちゃくちゃ見下せ!

 まずは、クレーマーを見下そう。
 相手を幼稚園児や小学生だと思って見下そう。

「はいはい、よしよし(笑)」
「そんなに怒っちゃってどうしちゃったの~(笑)」
「あっ、もしかしてお腹すいたのかな~?(笑)」

 みたいな。可愛がる感じでメチャクチャ見下そう。

 もちろん、見下してるところを表面に出してはいけない。
 あくまでも、バレないように、心の中で、見下し続けよう。

 ——なぜ、見下しが必要か?

 それは、見下すことによって、自分の精神状態を「正常な状態に」保つことができるから。
 そうすることで冷静な判断ができる。
 失敗しない言動を、あらかじめ選択することができる。
 相手の勢い、アウェイな空気にのまれずに済む。
 クレーム処理には必須な準備運動。

「(心の中で見下しても)絶対バレるじゃんっ」
「(表情に)でちゃいそうだし」

 大丈夫、バレない。
 演技派になればいい。
 さらに言えば、そうだな、織田裕二になればいい——。

織田裕二になる——とは?

織田裕二になる、とは?
結論:織田裕二になればいい。

 厳密に言うと、『踊る大捜査線』の「青島」を演じる織田裕二になればいい。
 どんなに心の中でクレーマーを見下していようが、織田裕二になってさえいれば100%バレることはない。断言する。

 あの、織田裕二の、ちょっと鼻にかかった声で、

「スイヤセン……」
「本当ぉに、スイヤセン~……」

 と、苦い顔で頭を下げながら謝れば、間違いなくバレない。
 それどころか、織田裕二の「スイヤセン」効果のおかげで、かなり心がこもっているように聞こえる。

「(この人のミスじゃないのに、こんなに心をこめて謝れられたら、なんだか申し訳なくなってきたな……)」

 と、一発でクレーマーの怒りが静まり返ることがあるくらい織田裕二の「スイヤセン」には謝罪効果がある。

 きっとこれを読んだあなたは、

「ふざけてんのかよ、真面目に話せよ」

 と思ったかもしれないが……
 俺は至って真面目だ。本気で真顔で書いている。
 先にも書いたが、俺はこのようなクレーム処理を100%成功してきた。
 冗談に聞こえるかもしれないが、本気で言ってるから、ちゃんと聞いておいてほしい。

 ……とにかくだ、織田裕二のマネをしながら謝るだけで、なぜだかすごく申し訳なさそうに聞こえる。

 ぜんぜん、まったく、申し訳ないと思ってないし心もこめていないのに、なぜだかすごく心がこもってるように聞こえる。

 ということで、織田裕二(青島)の声マネを練習しよう。
 完成度は70%くらいでいい。
 『YouTube』で検索すれば出てくるから、無料で練習できる。

ひたすら話を聞いて、毒抜きをしよう!

ひたすら話を聞いて、毒抜きをしよう!

 前提条件(織田裕二)が長くなってしまって申し訳ない。
 ただ、この説明なしでは話は進められない。とても重要なこと。

 で、準備運動(クレーマーをめちゃくちゃ見下す)が終わったら、今度は、ひたすら聞き手に徹しよう。

 クレーマーの怒り、モヤモヤ、ストレスなどなど、毒となるものを思う存分、吐かせてあげる。
 吐かせることで、落ち着かせる。
 それまでは、こっちの言うことは、耳に入らないと思ったほうがいい。

でも、「聞きすぎる」のはダメ。合いの手を挟もう!

 毒抜きとして、ひたすら聞き手になれとは言ったが、ただのイエスマンになって聞き流すのはダメ。

「(早くおわんねーかなぁ……)」

 が、表情や仕草に出てきてしまうから。
 人間の集中力はそう長くは続かない。
 イエスマンになって「はい、はい、はい」と言ってるだけではすぐに演技が解けてしまうだろう。
 相手にそれが伝わってしまうと、火に油を注ぐことになってしまう。

「はいはい聞いときゃいいと思ってんのか?」
「そうすりゃ怒りが静まるってか?」
「はぁ……お前なめてんだろ? なぁ?」

 もう、こうなってしまってはクレーム処理は失敗だ。会社に損失が重くのしかかるのは確定。
 それはジャイアンよりも、カビゴンよりも重くのしかかることだろう——。

 ——じゃあ、どうすればいいのか?

結論:織田裕二で合いの手を入れろ!

 クレーマーの話を聞きながら、ちょいちょい織田裕二で合いの手を挟めば、

「(おぉ、自分のミスじゃないのに真剣に聞いてて偉いな。しかもなんかめっちゃ申し訳なさそうだし)」

 と、クレーマーの脳裏に、うっすらと浮かんでくる。
 それも、合いの手を入れるたび、毎回。
 これが、「毒抜き」。

 ——で、具体的にどうすればいいのか?

 それは、共感性を強める「ひとこと」を、怒りのビート(クレーム)に刻んでいけばいい。
 簡潔に、テンポよく、相手の喋りを止めないよう、織田裕二で合いの手を入れよう。

 例えば、以下のようなセリフが効果的。

「スイヤセン……」
「本当ぉに、スイヤセン~……」
「もう……ほんっとそのとおりです……」
「自分でもそう思います……」
「ほんっとうに呆れますよね……」
「ほんっとに……あいつ(炎上犯)……」
「スイヤセン……」

 上記をテンポよく、クレーマーがちょっと疲れてくるまで、ひたすら繰り返す。

一緒になって愚痴ればいい!

一緒になって愚痴ればいい!

 クレーマーがちょっと疲れてきたら、もう毒はそれほど多くは残ってない。
 もうひと踏ん張り頑張れば毒抜き完了。
 ただ、これ以上、織田裕二の合いの手を挟んだところで効果はない。
 むしろ、

「お前それしか言わねーな?」

 と、逆に怒られてしまう。

 そこで最後の切り札を使おう。

 結論:一緒になって愚痴ればいい!

 今度はこっちが喋り手になる。
 クレーマーに負けないくらい、自社(炎上犯)に対しての愚痴を言いまくればいい。
 わざと感情的になり、目を見開きながら、ときどき舌打ちを挟みながら、クレーマーと二人三脚で、炎上犯の愚痴を言いまくろう。

 それが同僚、先輩、上司、社長だろうが関係ない。
 愚痴って愚痴って、愚痴まくれ!

「アイツほんと最悪なんすよ!! あいつのせいでクレームの嵐っすよ!!」
「アイツもうクビにしてもらうしかねぇな……」
「あああああイライラしてきた」
「はぁ……アイツ帰ったらしめてやりますわ!! 調子に乗りやがって」

 こんな感じで感情的に、一緒に愚痴ることで、クレーマーは、

「(味方になってくれてる……?)」 

 と錯覚し、心のガードを緩めてくれる。
 そして、こっちが感情的になりすぎて暴言を吐いたことで、

「いやいやっ、そこまでしなくていいから(笑)」

 と、クレーマーは少し引き気味で冷静になり始める。
 自分にあえてツッコミポイントを構築することで、クレーマーに「冷静になるタイミング」を与えることができる。

 そして、とどめに一発。

「でもムカつくじゃないですか!! こんなにいいお客さんなのに……ほんとアイツ終わってますよ!!」

 と、怒りながら、しれっとクレーマーを褒めたり持ち上げてやれば、心のガードは崩れていくだろう。

収束——。ミッション成功!

 どんなに怒り狂ったクレーマーでも、毒を抜いてあげれば、まともな話し合いができる。
 最終的には許してくれるし、「なんだったの」ってくらい急に優しくなることが多い。

「まぁ、べつに兄ちゃんが悪いわけじゃないから!」
「ごめんな、兄ちゃん関係ないのに色々言っちゃって」

 みたいな感じで落ち着くことが多い。
 そして、

「いやいやうちが悪いですから、怒って当然ですよ!! 僕だって同じ立場だったら絶対にキレてます!!」
「今度もしなんかあったらすぐ僕に教えてください!! これ僕の番号です。すぐに駆け付けますんで」

 みたいな感じで収束させる。
 クレーマーは毒抜きによりモヤモヤが晴れているし、織田裕二が共感してくれたことで、心を許してくれている。

「(この担当者だったら信じてもいいかな?)」
「……兄ちゃん信用できそうだから、契約つづけるよ」

 と、契約解除や損害賠償という最悪なクライマックスから免れる確率はかなり上がる。
 むしろ、クレーム前よりも、もっといい条件で取引が進むってことも多々ある。
 これは間違いなく織田裕二のおかげだろう。

 ——以上で『めちゃくちゃ使えるクレーム処理』は、おしまいだ。
 もし、クレーム処理犯に任命されたら、その時は……

  • 愚痴
  • 見下し
  • 織田裕二

 を思い出し、全力で使ってみよう。
 ただ、いきなり使うのは難しいから、普段から脳内シミュレーションで練習しておくことをおすすめする。

 それでは、しばしの別れ。

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