自分の取説.

随筆

『以前前のおれ』

 1日のリソースには限界がある。常時ハイパフォーマンスの脳みそを使えるわけではない。起きて1〜2時間後は最も脳みその調子がいい。だから「頭をつかうタスク」はそこに持ってくる。おれでいえば「執筆」がそれにあたる。
 時間が経つにつれパフォーマンスは落ちる。朝起きる生活をしていると、夕方くらいには脳内HPが擦り減っている。脳内HPがそんな状態ではまともに思考が働かない。だから朝の調子がいい時間帯に執筆を行なっていた。

 起きてすぐにご飯を食べ、歯を磨き、シャワーを浴びる。心身がリフレッシュされた状態で執筆に挑むという流れ。メールの返信とかは都度。ちなみに個人事業主なので職場は自宅。

 家事、毛の処理、筋トレ、そういう頭を使わない系のタスクは、執筆が片付いたら着手するようにしていた。脳が活発な時にわざわざ頭を使わないタスクに着手するなんて、もったいないが過ぎると感じていた。

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『以前のおれ』

 ——考え方が変わった。
 リソース、やらなきゃいけないことに優先順位をつけながら効率良く日々をすごしていると自分では思っていたが、それが気のせいだということに、間違いだということにきづいた。といってもこれは人による話だと思うので、あくまでもおれには合っていないのかも。おれの性格(脳構造)には不向きだなあと思った。

 なぜならタスクが残っていると落ち着かない性格だから。1日でやりきらなきゃいけないタスクが少しでも残っていると落ち着かない。例えそれがどんなに小さな重要ではないタスクであっても。片付くまでは落ち着かない。自分はそういう性格なんだと気づいた。

 ほとんどのタスクを済ませ、余裕をもった状態で執筆に取り掛かるほうが良い結果を生むことができるはず。そのほうが深い思考をすることができるはず。バババと家事を済ませて、バババと筋トレを済ませて、バババと簡単なタスクを片付ける。「あとは歯を磨いてシャワーを浴びればいつでも寝れるぞ」みたいな状態にしておく。そうすることで残った時間のほぼすべてを執筆に一点全力集中投下することができる。以前前とは真逆だが、そのほうが気楽でね。

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『以のおれ』

 ——また考え方が変わった。
 やはり、早くに取り掛かりたい。頭を使わない簡単なタスクたちをすべて片付けるまでは執筆に取り掛かれないなんて、ストレスストレスストレス。時間がどんどん経過していくので焦りが出る不安にもなるその時間がとても苦痛。苦痛なので終わった頃には消耗している。消耗した状態では落ち着いて執筆することができない。没頭できない。《疲れたからとりあえず休みたい欲》が出てくる。昼寝したいとか趣味したいとかそういうのに襲われる。だからやはり可能な限り早く執筆を開始したい。

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 ということで、起きたらまず何か飲み物を。みなぎらせるために。冷たいのを飲む。温める系の飲み物は寝起きのおれにはハードルが高い。だからすぐに飲めるやつを飲む。

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 つぎにトイレ。ヒーターのきいた暖かい便座に座り、スマホを起動。放尿。
 まだ眠くてわけわからん状態だけど、とりあえずぼーっと「今日は何を書こうかあ」と適当にニュースサイトを読み飛ばす。
 寝起きスグではまともな思考は働かないし、眠いなか何かをちゃんと考えなきゃいけないなんてストレスなので、ぼーっとぼーっと適当にぼんやりと眺めながらついでについでに考えてみるってかんじ。

 もしくは、書くことが予め決まっているならば、一文字でもいいから書いてみる。iPhoneのメモ帳で。もちろん眠いからちゃんとは書かない。後で推敲すればいい話。雑でいい。1文字でも1秒でもいいからとりあえず書く。それだけでもちょっと眠気が弱まるし、頑張ろうみたいな気持ちは強まる。不思議と。

 寝起きで眠くてわけわかんなくても意外と脳みそはスッキリしていて。良い言葉が出てきたり。良い発想が出てきたり。眠いはずなのに出てくる出てくる。
 そんなかんじで10分くらいはトイレで朝を過ごす。

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 つぎに洗面台へ。熱めの湯と洗剤で手を洗う。口を2回ゆすぐ。目を洗い、目脂を落とす。顔はこの時点では洗わない。目だけにフォーカス。

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 つぎに食事。とにかく簡単なもの。カップやきそばとか。おにぎりとか。洗い物がでないものにする。でたとしても皿や椀は1つで済むように。チキンラーメンとか、鍋いっぱいにつくった味噌汁とかをチョイス。箸はわりばし。もし空腹じゃなければなんも食わず。もしくはチョコだけちょろっと口に含む。とかね。

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 すぐに歯磨き。食後の余韻には浸らない。眠くなるだけ。二度寝の誘惑に襲われる前にサササと歯磨きへ移行する。

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 ここで本格的に執筆はじまり。誤字脱字改行句読点等々あらゆる気になるポイントはすべて無視して勢いよくノンストップで頭の中にあるものを全力でぜんぶ絞り出す!

 絞り終えるまでは何も家事をしない。電話が来てもシカト。というか電話が鳴るとムカつくから常にiPhoneの設定は『おやすみモード』にしている。だから24時間ずっと電話が鳴ることはない。通知だけは残るので後で気づける。メールやLINEも無視。とにかく絞ることだけに専念する。

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 絞り終えたら、すぐに筋トレ。全力アウトプットにより頭がヒーヒーしていて《ハイ!》になっているのでその勢いをそのまま利用して筋トレへ移行する。冷静になればなるほど筋トレをサボる口実を探してしまうし。だから絞り終えて疲れていてもあえて一息つかないほうが都合がいい。

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 体を痛めつけたらプロテイン。食事。歯磨き。シャワー。乾燥するので気になるところにオイルをぬりぬり。メールとかを確認。要返信のものがあれば秒で適当に返す。

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 心身ともにリフレッシュされたところで、推敲。ひたすら読み直し誤字脱字チェック。文字列をこねこね。磨き上げてゆく。
 その時々によるが、2〜4回くらい推敲したらさっそくアップ。noteやエブリスタに。そしてTwitterでシェア。

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 終わったら簡単に家事をバババ。残った時間は読書タイム。小説を読む。あとはインターネットで情報収集。ちなみにTwitterでの発信はトイレとかの隙間時間でやっている。一日の終わりにはキッチンリセット。トイレ掃除。歯磨き。就寝。

 とまぁ、こんなかんじでリソースをあてている。

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『以後のおれ』

 ——これからは、とりあえず今のルーティンを続けてみる。おれが考えるおれのための理屈。人や環境によって解は異なる。
 日々試行錯誤でアップデートを心がけているし、さっさと落ち着きたいと思っているが、なかなか定着しないよね。定着をさせる必要があるかないか言われれば微妙なところだけども、やっぱルーティンというのはあったほうが楽だよね。
 あと「自分を知る」というのは意外と難しいんだなー、と。つくづく。
 わかってるつもりでも、わかってないんだよね。制御できてるつもりが、できてないしねえ。
 まあ地道に継続してやってくしかないか。気づきを得るためにも。固定概念を覆して日々アップデート。そうして少しずつへ近づいていきたいし。いつになるかはわかりませんが、そろそろ『自分の取説』を完成させたいなー。