クイックルワイパーの『使い捨てシート』をやめた理由。
我が家の掟では、床掃除はおもに『ブラーバ』が担当することになっている。ブラーバとは、いわゆる床拭きロボットであり、乾拭きも水拭きも隅々までしてくれる優秀な代物。
そんなブラーバにも「苦手な場所」はある。例えば、段差のある場所は掃除をしてくれない。何故なら、段を登る事も降りる事も出来ないから。身長の低い段であれば降りる事は可能だが自力で登ることは不可能。なのでその際は、まるでマリオカートのレインボーロードでコースから落下してしまったプレイヤーを釣り竿で釣り上げコースへ戻してあげるジュゲムのように、人間の手でブラーバを持ち上げ元の位置に戻しリスタートすることになる。だから段差のある場所はブラーバに行かせない、掃除をさせないのが鉄則。
あとはコードやホースなどの障害物がある場所や、物理的に侵入不可能な隙間なども掃除は不可能。
よって、ブラーバが苦手な場所だけは我が家に住む誰かが掃除をしなければならない。
「ブラーバが苦手な場所」をつくらないよう、家具や家電や小物を減らしたり、直置きをやめて浮かせたり、配線をうまくやったりなどの工夫は既にしているが、それでも人それぞれ環境にもよるが《限界》がある。
例えば、札幌の賃貸住宅に住む我が家には、大きめなストーブがある。北海道の真冬では基本的にエアコンは働かない。ストーブ必須な環境のため、予めマンションの設備としてストーブが設置されている。そのストーブというのは灯油ストーブであり、灯油を通すためのホースや排気するためのホースなどが壁に繋がっているため、ストーブの裏はホースやコードなどで割とごちゃごちゃしている。そんな障害物だらけの場所をブラーバが掃除できるわけないし、ブラーバが衝突を繰り返すことでストーブのホースが破損してしまう。
ということで、「ブラーバが苦手な場所」を人間が直々に拭き掃除するわけだが、我が家では『クイックルワイパー』を採用している。
経済面的なコストでいえばクイックルワイパーを使わずに雑巾とかで拭いたほうが安くすむが、一々しゃがみ込んで拭き拭きするのは面倒が臭すぎる。「しゃがみ込んで拭き拭きして立ち上がって移動してしゃがみ込んで拭き拭きして立ちあがって移動して——」なんて毎日やってられない。バーピーにもほどがあるし、現代においてそんな非効率なアナログ清掃をわざわざ選択するメリットはない。
こんなことを言うと稀に「運動になるから一石二鳥」という人がいるけれど、それくらいの運動じゃ痩せないし美しい肉体は造れない。運動は運動としてやるべきであり、わざわざ掃除に組み込む必要はない。だからそれは運動したくない人の必死な言い逃れ、もしくはアナログ清掃を否定されムキになった人の愚かな反論にすぎない。
だからといって『箒』は非効率。しゃがみ込まずに済むが、丁寧にゆっくり箒でゴミをかき集め、『塵取り』で収集するなんて、時間の無駄でしかない。ソレがもし「楽しい趣味」ならべつにいいが、そうじゃないならそれはただの馬鹿。目的達成までのプロセスに時間がかかりすぎるから当然のごとく却下。
クイックルワイパーと比較し、「箒と塵取り」ということで、そのぶん物は増えるしスペースも奪ってしまう。箒や塵取りそのものの掃除も必要であり、クイックルワイパーよりもタスクが増えるし、箒そのものの掃除は簡単に終わらない。「えっ、簡単に終わるよ?」という人は雑に《パンッパンッ》とやっているだけだろうベランダとかで。
『モップ』はしゃがみ込まずに済むし掃除も容易に終わり効率が良い。しかし、メンテが怠い。モップそのものを洗って乾かすのに手間や時間がかかる。適切にメンテを行わなければ雑菌が繁殖するため、ニオイが発生するし、雑菌を部屋中に拭き散らせる事態を招いてしまう。だから気軽に洗濯機で洗えない、気軽に使い捨てられないモップは却下。
そんなこんなで消去法的に『クイックルワイパー』を採用。採用してから、もう9年くらいは経っている。
最初の頃はなんとなくでウェットタイプの使い捨てシートを使っていた。そのほうが、しっかり汚れが落ちるだろうと思っていたからだ。だがしかし毎日ササッとやっていれば汚れは頑固にならない。埃や髪の毛を掻き集める掃除程度なら「むしろドライシートのほうがよく取れる」という事実に気づき、それからは使い捨てのドライシートを使い続けた。
そんな『使い捨てのドライシート』もやめる時が来た。我が家におけるクイックルワイパーの役割(目的)は、ブラーバの手が届かない僅かなスペースに落ちている毛や埃を取り除くこと。それならばべつにわざわざドライシートを毎月のように買わなくてよい。壁や窓などを拭く時にいつも使っている『マイクロファイバー雑巾』をドライシートの代わりとして有効活用すればよい。
この閃きは正解だった。マイクロファイバー雑巾をクイックルワイパーに装着すれば、床に落ちている毛や埃なんかは簡単に取り除けるし、むしろドライシートの時よりもしっかり取り除けているし、分厚くなったせいで安定感があり操作性もよくなったと感じている。

このマイクロファイバー雑巾はセリアやサツドラで安く売られている物を適当に選び使っている。買い換える時も安く済む。5枚入りが100〜200円とかで買える。どうせ元々床掃除以外で使っていた物だから、新たにスペースが増えることもない。洗えるからずっと使える。薄いし小さいし干したらすぐ乾く。使いまくって使いまくって使えなくなっても安いから気軽に捨てられる。
使い捨てドライシートをやめたことで得られたメリットは意外と多かった。
まず、物が1つ減ったことでスペースに余裕ができた。
マイクロファイバー雑巾の使い道が増え、多様に上手く運用できているという事実に「嬉しい! 気持ちい!」という感情を抱けているから気分がよい。
毎月必ずドライシートに100〜200円くらいは使っていたから節約になった。年間2000円くらい。
「あ、そろそろ買わないとかな……?」と気にしなくてよくなった。だからちょっとした判断疲れがなくなり神経の節約にもなった。
買い忘れないようにメモをとる、というタスクもなくなった。そして買うというタスクもなくなった。時間の節約にもなった。
可燃ゴミの量が減った。だからゴミ箱の容量を収集日までもつかなぁとあまり気にしなくなった。
メリットは以上。
ちなみにこの「可燃ゴミの量が減った」というのは我が家にとっては意外と嬉しいし、わりと重要な点。「可燃ゴミを増やさない」というのは軽視できない問題。
なぜなら、我が家のある札幌市では、可燃ゴミは『指定有料袋』を使わないと収集してくれない。その指定のゴミ袋が、高い。45ℓの袋1枚で80円もする。なんでもかんでも詰め込んでいたらあっという間にパンパンになり、毎週2回の収集で最低でも320円はかかる。そして札幌市はダンボールの収集をしないため、ダンボールは専門業者が有料で回収するか、月に1回PTAや町内会が主催する資源ゴミ回収まで何とか待つか、稀に存在するダンボール回収BOXまで持っていくか、ダンボール回収を行っているセイコーマートまで持っていくか、可燃ゴミとして出すか、という選択肢しかないため、気軽にダンボールを捨てられない。車がないし、回収BOXも近くにないため、なんとか月1の資源ゴミ回収日を待つか、可燃ゴミとして出すか、その二択しか残されていない。長期間ダンボールを部屋に置いておきたくない我が輩は必然的に『可燃ゴミ』として出すことになる。ネットショッピングを頻繁に使う我が家はダンボールがよくでる。ということで指定有料袋代がさらにかかり、なんだかんだで毎週400円くらいはかかる。毎月1600円。たまにドサっと何かを捨てることもあるし、けっしょく1年間でゴミ袋代に2万円くらいは使っている。ゴミに2万円。馬鹿馬鹿しい。
ということで、我が家は可燃ゴミの排出量が極めて多い家庭であったが、最近は少なくった。少なくなるよう、工夫した。
分別はサボっていたが、しっかりと紙やプラや缶やペットボトルを分別するようにした。これだけでがっつり可燃ゴミは減った。
ダンボールはPTAや町内会の回収日(月2回)を待つようになった。ダンボールを折りたたんで置いておけるスペースをシューズボックス内に設けたので、回収日を待つことがそこまで苦じゃなくなった。これもがっつり可燃ゴミが減った。
生ゴミは、可燃ゴミの収集日当日まで冷凍庫に封印しておくことにした。ポリ袋に入れて、しっかり空気を抜いて縛り、さらにそのゴミ入りポリ袋を蓋付きタッパーに封じ込める。その状態であれば冷凍庫にあってもニオイはこないし見た目的にも嫌にならない。
これらをやったことで、これまで45リットルの指定有料袋を使っていたのに、5リットルの指定有料袋で済むようになった。5リットルであれば1枚10円で済む。毎週2回捨てても20円。圧倒的節約になった。
話が少し脱線したが、以上のことから、可燃ゴミの量はわりとシビアに問題視している。5リットルの袋が入る小さなゴミ箱の中を少しも圧迫したくない。だから毎日出るドライシートという可燃ゴミを無くせたことが我が家にとってはとても嬉しい。気持ちが良い。
マイクロファイバー雑巾は洗濯機で洗える。だけど、大きめな埃や大量の毛がついた状態のものをそのまま洗濯機に入れるのは何だか嫌だ。ということで洗濯機につっこむ前にササっと指でゴミを摘むというタスクがある。これはたしかに面倒ではあるが、トレードオフな話である。そのタスク(デメリット)があったとしても、メリットがそれを上回る。我が家にはコレが合っている。現状。
とはいえ、本当はクイックルワイパーすら断捨離したい。だからクイックルワイパーを使わずに済む環境を構築しなければならない。ブラーバが1人でほぼ100%の床掃除をやってくれるような環境を。だがしかし現状はソレが無理。ソレには一先ず引っ越しが必要なため腰が重い。重いが、いずれは叶える。貴重な人生、床掃除なんかに遣いたくない。
PS——
クイックルワイパーは浮かしている。ブラーバの邪魔にならないよう。こんなかんじで。冷蔵庫に貼り付けている。


それでは、しばしの別れ。また次のnoteでお会いしましょう。