めんどくさいから毎日やります。

随筆

 掃除は面倒。掃除に使う時間はもったいない。そんな時間があったら趣味やビジネスに使いたい。でも——やらなきゃいけない。どうせやるなら、やらなきゃいけないなら、手っ取り早く終わらせたい。なるべく時短で。効率よく。省エネモードで。うまいこと楽をしたい。だからこそ——掃除は毎日やりたい。

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『ハードルは低いほうがいい』

 週一とか月一ではだめ。逆効果。
「毎日なんてやってらんない」
「だからたまに一度しっかり掃除をすればいい」
 こういうのはかえって逆効果。そのしっかりがストレスになるから。

 週に一度なら、一週間分。月に一度ならの一ヶ月分の汚れやホコリを倒さなければいけない。一度に。
 毎日やっていてもホコリは出るのに。それがたまりにたまった状態で……? かなりハードルが高い。大変。労力の消費が激しい。それだけで消耗してしまう。

 汚れが頑固になるということは本来なら水拭きでいいものに対してもわざわざ洗剤を使わなきゃいけなくなる。すぐ掃除すればすぐ倒せる弱い汚れが、頑固で強い汚れになってしまう。

 たしかに掃除の回数週に一度で済むかもしれないが、その一度でものすごい労力•時間•神経を消費してしまう。

 多くの人は週に一、二回休みがあると思う。その貴重な休みをたかだか掃除に数時間あてなきゃいけなくなる。それは大きなストレス。せっかくの休みが掃除で消えるなんて馬鹿げている。休みは休む日。遊ぶ日。楽しまなきゃ。

 だからといって休日以外の仕事終わりにガッツリ掃除をやってしまうのもいけないこと。だってクタクタでしょ。クタクタの状態でクタクタなことしたら数日間はクタクタのまま戻らなくなっちゃうよ。圧縮された低反発マットレスのように、すぐには原型に戻れなくなってしまう。そうなればその日の趣味や癒しに使うはずの時間は必然的に消滅。仕事と掃除のみで一日が終わってしまう。起きたらまた仕事。なんですかその鬱展開。いやだ。

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『適当を継続』

 なので、掃除は毎日やる。毎日やっていれば楽だからね。
 汚れは発生時点ですぐに片付ければいい。ホコリは少ししかたまらないし。
 毎日やらなきゃいけないが、汚れやホコリが軽度のため、超適当にズボラ掃除をするだけで、すぐに簡単に清潔な状態に仕上がる。適当にササッとやってるだけなのに毎日きれい。

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『習慣化。息を吸うように』

 床なんてわざわざ洗剤を使わなくてもドライシートでサササと一拭きで。毎日やってるからこそ、それで済む。もしくはお掃除ロボットに任せてもいい。
 シンクや洗面台とかも毎日軽くバババと拭きあげればいい。
 トイレも毎日やれば頑固にならないので楽。使い捨て手袋を装着し、厚手の流せるおしりふきで全体的に拭きあげればいい。便器や便座の汚いところをやる時は洗剤を含ませてから拭き取ればいい。ブラシなんていらない。ハードルが上がってしまうからね。

 とまぁ掃除なんてのは効率化しちゃえばあっという間に終わる。習慣化することで癖になる。毎日でも楽勝になる。めんどくさくても継続できる。

 おれは掃除が嫌い。めんどくさいし。その時間は自分のためにならないと思っている。でも嫌いでめんどくさいからこそ、楽をするために、毎日やっています。